ヤマビル忌避剤

ヤマビル忌避剤の購入に迷っている方のために忌避剤成分,残留臭,安全性について簡単に説明します。忌避剤の写真はここをクリックしてください。はじめに,使い方について説明し (1),その後で,成分別に忌避剤について解説します (2)〜(5)。最後におすすめの動画を紹介します (6)。

(1) 一般的な使い方:登山靴や靴下部分にスプレー。過信せず,他の方法 (ストッキングやズボンの上に靴下を履く,など) も取り入れてください。
(2) ディート (DEET) を成分とする市販の虫除け:ディートまたは「ジエチルトルアミド」とも呼ばれているアミド系の化学物質です。含有量は 10〜30% (重さ/体積 %)。目安としては,濃度30%で8時間、10%で2時間効き目が持続します。第二類医薬品ですが,皮膚刺激性があるとの報告があります。鼻を近づけるとアミド臭を感じます。肌にスプレーした場合 (足首,手首,腕,首周り),下山後,石鹸で洗ってください。
(3) イカリジン (Icaridin) を成分とする市販の虫除け:ディートより後に開発されたディート類似薬剤で,防除用医薬部外品。ディートフリー (または DF) とも表示されてます。含有量は 5〜15% (重さ/体積 %)。15%でディートと同程度の効果あり。蒸気圧が低くディート特有の嫌な臭いはしません。15%イカリジンと30%ディートの残留臭の違いを確かめています。また,イカリジンは繊維や樹脂を傷めにくく、肌に優しいです。肌から約 10 cm 離した距離から噴霧しましょう。首筋などは手のひらに一度噴射してから,肌に塗ると良いです。
(4) ヒル専用:ヒルノック,ヤマビルファイター,ヒル下がりのジョニー,タイガーバーム (塗り薬),など。ヤマビルファイターの成分はディートですが,その他の忌避剤の成分は不明。残留臭についての情報は集めていません。
(5) 食塩または食塩水:ヤマビルがついた時の撃退法です。しかし,食塩を付いたままにしておくと繊維や金具部分の劣化につながるので,下山後,水で洗い流してください。
(6) おすすめの動画:上述した薬剤に加えて,ヤマビルの性格や出現しやすい所の解説もしています。
(a) 登山者のためのヤマビル対策 (14分07秒)
https://www.youtube.com/watch?v=XZ6JvoryO_M
(b) 登山中のヒル対策知っておこう (16分24秒)
https://www.youtube.com/watch?v=bAymwNhCB-U