No.3,974 出羽六十里越街道の旅 <A> 6月26日 (金)〜29 (月)

 パーティー:女性7名、男性2名 合計9名
 6月26日(金)雨後曇り。六十里超街道とは山形県の日本海側の鶴岡市から内陸部の山形市までの街道で1200年ほど前に開かれたと伝えられています。私達は鶴岡市の弘法の渡しから西川町の志津温泉まで湯殿山の山麓を巡る道を歩きます。東京から上越新幹線で新潟へそこから在来線の特急に乗り換え鶴岡駅へはお昼過ぎに着きました。小雨で少し蒸し暑く感じました。まず駅前の観光案内所で情報収集。天気予報は、明日は雨。昨日も降ったので道はグチャグチャでしょうとのこと、湯殿山方面で熊の人身被害があったので気をつけてと言われてしまい、いきなり恐怖 (>_<) でした。
 昼食は案内所の建物の中にある和食のレストランでいただきました。旬の岩牡蠣も美味しかったです。宿泊はいこいの宿「農」という民泊です。今日は私たちだけの貸し切りです。夕食は宿のオーナーに紹介していただいた居酒屋に行き地元で採れた魚料理を堪能しました。今日は昼も夜も鶴岡の味を満喫して明日からの街道歩きに備えました。(MM)
 6月27日(土)雨のち晴。いつもの山行とひと味違うであろう旅のはじまり。Kさんと駅前で合流。タクシーの車中とは言えども朝一番脅しの雨の洗礼を受け弘法の渡し着。小雨の中歩き出し。順調かと思えた道も八幡神社を過ぎ庚申塔の所で足止め。道標を前に右往左往、先行き不安にかられた。結局街道を諦め国道へ。本明寺経由で苔むした追分石にて本来の街道に入りホット一息。木漏れ日の中、足元はふかふかのじゅうたん、咲き誇る小花たちに癒され谷道、坂道と歩を進める。途中十王峠から重文財の即身仏が祀られている注蓮寺や大日坊をお参り。塞の神峠からはひたすら下り、柳清水に無事完歩。今宵の宿へ。今日一番のご褒美は夕陽に照らされた月山が優しく御姿を見せてくれた事。疲れも忘れ感謝。
 宿発5:45―弘法の渡し―追分石10:15― 十王峠11:00―注蓮寺11:45―大日坊13:00―柳清水14:50(SI)
 6月28日(日)晴れ。宿、ななかまどのスタッフにお別れし、三日目のスタートです。街道歩きは山登りではないけれど、山登り位の体力がなければ歩き続けるのはつらい?山岳信仰が盛んだった室町・江戸時代には「おいずり」と言う白装束に身を包んだ多くの信者が往来したことだろう。蟻腰坂=きつい急坂で、まるで蟻が地を這う様に歩く姿に似ているから名付けられたらしい。椛の木坂=ブナの葉の緑が美しい人気のコースらしい。千手ブナ、ラブラブナなど面白い名のついたブナたち。そして小掘拔(コホノギ)・大掘拔(オホノギ)と言う山道を掘り抜いてつくったブナの木のトンネル。ブナ林を歩くと水の豊かな東北の山を身近に感じる。どこまでもどこまでもこの道を歩いていたい気分。
 ザンゲ坂=Lの指示を受け、いくつかの渡渉も無事通過。もうすぐ湯殿山だよ。けどその前にザンゲ坂が待っているのだ。この坂は急登を登る姿がザンゲしている様に見えるかららしい。登山者の基準からすればありがちな登りで、皆さんザンゲせずにスタスタ登ったネ。さあ~でっかい赤い鳥居見えて来ましたよ。湯殿山ですよ。本日のゴールですよ。皆で一礼して鳥居をくぐる。湯殿山は出羽三山奥の院で来世の幸福を祈る「生まれ変わりの旅」の終着地ですよ。歩いていると五感が豊かになりそうな気がする。そしてこれを超えた第六感、心を感じる力が養われ豊かになりそうです。高い空・風の音・森の香り・光・土のにおい・せせらぎ・生き物・・・
 ありがとう、ありがとう、楽しい歩きでした。心を許せる仲間と歩き過ごした日々。思い出のページがまた増えました。夢を持ち続けて、信念は崩さず。次はどこへ・・・。
 宿発6:40―月山展望所9:20―湯殿山十字路11:50―宿着12:50(CK)
 6月29日(月)晴天。前日までよりも森深く、神秘性を感じる森の奥に更に進む。山形に至る六十里越街道の古道は山岳道とは思えない。道はあるが人が歩いている痕跡がないのだ。分岐点にある標識だけが六十里越街道の道と感じさせる。こんな道を求めて私は山歩きを始めたのだろう。しかし、実際に遭遇すると一人では前に進むことはできずに引き返していただろうと一緒に歩く仲間がいることに感謝。先頭を歩くリーダーは露払いに、蜘蛛の巣痕払いで服や顔のタオルが濡れている。感謝。感謝だ!
 神秘性とは①「泥濘(ぬかるみ)の道」ジメジメ道に無数に生えている水芭蕉を踏まないようによけながらヨロケル。水芭蕉とは木道で眺めるものと思っていたのに。無数にあるのに花を見つけるのには苦労した。
 ②「妖精の道」ギンリョウソウは一輪で可憐で十分なのに、かたまりが雪のごとし、群生があちらこちらに続くのである。
 ③「山菜の道」根曲がり竹?タラの芽、フキにワラビ、コシアブラ、とにかくおいしそうに見える草花がいたるところに生えている。宿で食べた山菜の味が蘇る。地元の人も取りにここまでは入らないのだろうか?それとも熊が。
 ④「希少生物」池の周りの木々に無数な白い塊、モリアオガエルの卵がぶら下がっている。それに、道端の水たまりには山椒魚が群れている。無数のモリアオガエルの捕食者の蛇は想像したくない。
 ⑤「苔むしる沢」幅4~50cmの急勾配の岩に苔がついている。長く続く沢は見るだけ十分楽しめる。踏みたくない苔むしる石に足をかけてこの道を登り下りして、流れの早い小川に顔を出す石を選び跨ぐのも愉しい。靴を洗う為なのか小川に足を突っ込む人までいる。
 ⑥「アイゼンを念のためを」日当たりの良い場所なのに道脇には残雪地帯が広がっている。道の草は長く雪に埋もれて茶色に変色しており、豪雪地帯と実感した。
 ⑦「その他」落ち葉の道、草木の道など、まだまだあるが続きは次回の山行で。
 宿の湯殿山参籠所(さんろうじょ)のスタート時間を20分早くして7時40分スタート、途中の休息時間を短く、昼飯時間を休息にして歩いた。ゴールの志津バス停14:29発に乗り遅れないためだ。万が一の為にジャンボタクシーをSLのSさんは配慮して手配した。それは観光協会ガイドマップの歩行時間は6時間45分(休息時間含まず)と記載されているからだと推測。これではバスに乗り遅れる。TTC行動時間6時間30分の計画を5時間50分でゴール。バス時間の1時間前に到着した。それにしても、参加者の高齢なメンバー(約2名除く)がこれだけ早く歩き続けられるのが不思議。日々どんなことをして体力を維持しているの。
 宿発7:40― 十字路―大岫峠10:00―志津13:00(HK)
 (編集部:写真も掲載してます)

3日目、蟻腰坂にて、今日も元気で歩きスタート