「TTCの思い出」

                   中神琳枝


 私が入会した動機は、丹沢で出会った4名の登山者の山談義にある。 私は個人山行で歩いていたが、入会を勧められ、後日会長のお宅に伺う。
 長身でおだやかな紳士という会長に、先ずはホッとする。何故かと言 うと田名部会長は、谷川岳の一ノ倉沢初登頂という日本登山史の金字塔 を筆頭に、数々の初登頂を成し遂げた一級のクライマーです。お茶を頂 きながら私に多くの写真を示され、熱く会の抱負を話す会長に入会をき める。
 昭和53年10月入会。初山行は尾名手尾根から麻生山です。54年4月1日 上野原駅からバスを阿寺沢で降り、会長は私をメンバーに紹介。Lは笠 原さんで、男性5名、女性3名です。私が目にしたのは、先ずまったくの ヤブ道で踏み跡は不明瞭です。Lの後について頑張る登りが続く。やが て尾根筋にようやく近づき、明らかな道に出ると小休止。小寺山、大寺 山へと歩く途中で後方から会長にストップがかけられる。会長の手にあ るのは新しいミカン皮です。これはメンバーの一人が休憩中に捨てたと 話します。自分で出した一切のゴミは、吸殻にいたるまで捨てずに持ち帰 ること。本人が名乗るまで歩き出しませんでした。この先麻生山で休憩 中に、当会の根本理念は忘れることなく参加する様に会長は言われまし た。下山は長尾根―富岡へと歩き、バスで上野原へ。
 山行中に感じたことがあります。昼食休憩がないので会長に伺うと、 小休止の時に少しずつ食べるとの事で、長い休憩はないと言われました。 その後、山行で私は急いで呑みこむ山行が何度もありました。
 会長と笠原、桑原、杉井さん・・多くのLとともに楽しい山行をメンバ ーと楽しませていただきました。
 最後に田名部会長にお目にかかったのは、59年12月23日、忘年山行で 甲州高尾山に参加していた高橋幸子さんと山行後に病院に行ったお見舞 いでした。お元気の様子で、とても喜んでくださり山の語らいがありま した。それから6日後に満80歳の生涯を閉じられました。
 60年に田名部会長追悼山行、風早峠に私は参加しました。Lは桑原さ んで29名でした。その後62年に退会しましたが会山行が忘れがたく平成 2年に再入会しました。昭和に入会し40年以上長くお世話になれたのも 田名部会長の遺志を守り引き継ぐ会長を始め会員の皆様方に私はあると 思います。
 TTCも12月に50周年を迎えます。高齢化によることもありメンバー 数は減少していますが、呉々も安全な山行を心掛け、TTCが末永く続 くよう願っております。
 私にとっては、忘れられない思い出があります。昭和59年8月個人山 行で奥穂高に登り中央線の松本駅に着くと女性の方が私の前の席へ。長 身で私と同年代か少し若いかなと心の中で思いながらお話をした。その 後60年の山行で山は忘れたが松本でお会いした方が佐藤ツヤ子さんでし た。今、TTCで多くの山行を頑張る貴女にエールを。
 メンバーと多くの楽しい山行、又、不思議な楽しい出合、いくつもの 思い出とTTCに感謝します。